ピザの受け取り方がわからない【スマートジャンキーリポート2】

 

 

「これ吸うと宇宙に行けるぜ」

 

 

そう言って公園で親友は何かを吸い込んだ。そして自分も渡されたものを吸った。

 

親友は咳き込んで少し経つと花壇に頭から突っ込んで倒れていった。

 

晴れた日の世田谷公園での出来事だ。顔が青ざめた親友に手に持っていたミネラルウォーターをかけて起こす。死んでしまったかと思った。

 

自分は少量しか吸わなかったので倒れるほどではなかったが、視界が急に小さくなって望遠鏡を覗いているような感覚に陥った。

 

自分が酒タバコ以外で初めて経験したドラッグは大麻でもMDMAでもLSDでもなく合法ハーブ。親友は当時大学生の時合法ハーブにハマっていた。

 

花壇に突っ込んだ親友を見て、これは危ないと本能的に思った。その後、親友が1人家で合法ハーブを吸っていたところ

 

「パソコンからキーボードが飛び出してきてさ、説教された上にキーボードに襲われたんだよね。怖かった。」

 

と電話がかかってきた。意味不明だった。それがきっかけで親友は合法ハーブを辞めたらしい。

 

まあこんな話は正直どうでも良い。もう規制されたものだし。今日は大麻の話。

 

合法ハーブの次に親友が持ってきたものが大麻だった。もちろん大麻にも興味はあったので吸ってみることにした。

 

親友は何度か経験してるみたいなのであまり抵抗は無かった。当時大学生で親友は三軒茶屋のアパートに住んでいた。

 

部屋で親友はラップに巻かれた大麻を取り出し手で砕く。タバコの葉っぱを抜いてくれと言われたので、自分はアメリカンスピリットの葉っぱを抜く係。

 

そこに大麻を詰める。今思えばカスみたいな吸い方だ。でも当時ジョイントさえ巻けなかった上に巻紙の存在すら知らなかった自分達にはその方法しか無かった。

 

大麻が詰まったタバコのフィルターが付いてる方を机にトントンと叩いてフィルターを切って火をつけて吸い始めた。

 

少し吸って大きく咳き込んだ。初めての大麻はとても美味しくなかった。というか土臭くて不味かった。

 

もちろん大学生が入手できる大麻なんて質の良いものではないからだ。

 

吸った後10〜20分くらいして効いてきた。喉が渇くし思考が回らなくなってきた。会話もうまくできない。

 

親友の顔を見てるだけで何故かニヤニヤしてくる。初めての大麻は不思議な感覚だった。悪いものではないなと思った。

 

「大麻を吸うとピザが美味い」

 

と親友が言い出したのでピザを注文することにした。到着を待っている間にもう一本吸った。

 

するとどんなものか分かった安心感からなのか猛烈に効いてきてしまった。時間の感覚が曖昧になって、後どれくらいでピザが到着するか分からなくなっていた。

 

「部屋の臭いで大麻を吸っていることがバレないかな?」

 

という勘ぐりに発展した。そして効きすぎた結果、遂には宅配ピザの受け取り方を忘れてしまった。

 

「ピザの受け取り方が分からない」

 

そう言うと親友は爆笑していた。ソファーでひっくり返りそうになっていた。そしてピザの受け取り方を予行練習させられるハメになった。

 

「ピンポンが鳴ったらドア開けてお金を先に出すんだっけ?ピザの受け取りが先?」
「どっちでもいいだろ」
「お釣りはどのタイミングで受け取ればいいんだっけ?」
「渡してきたタイミングで大丈夫だよ」
「やっぱ緊張するから受け取ってくんない?」
「やだよ練習したんだからお前が受け取れよ」

 

なんてやり取りをしていたらわざわざピザの受け取り方を練習してる自分達が面白くなってきてゲラゲラ笑えてきた。

 

その後無事にピザを受け取った。食べると口の中で味覚の爆発が起こった。これが大麻の初めての体験。

 

この時は大麻は特別ハマるようなものではないなと思ったし、実際大学生の時はほとんど吸わなかった。

 

わざわざ末端で入手するのがめんどくさかったからだと思う。大麻なんて吸わなくても日常が楽しかったのもあるのかな。まあたまに吸ってたけど。

 

当時は自分が毎日ドラッグを摂取するような人間になるとは思わなかったし、後々大麻を栽培するなんて考えもしなかった。

 

大学生活は無難に過ごして卒業した。この後就職したが、仕事は死ぬほどつまらなかった。2年弱で辞めた。

 

ここはたいして面白い話もないから割愛。会社員はとにかく退屈だった。

 

そして東京に戻ってきて親友と同居を始めた。親友は働いていたけど、自分は仕事もまともにせずにしばらくはフラフラしていた。

 

それから自分達はドラッグ漬けの滅茶苦茶な生活をすることになる。

 

 

 

このドラッグリポートは副作用も無く極めて事実に近い薬物接種体験を楽しむことができます。安心して服用して下さい。

※この物語は全てフィクションです。違法薬物の使用、犯罪行為を助長するものでは一切ございません。

Twitterではドラッグに関する役立つ知識を発信しています。是非フォローしてください。
https://twitter.com/sativadepakkaan